2017 / 04
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研究計画

①α-toxinについてPrx2及びphsopholipaseA2の動態をHlgの場合と比較

②aerolysinについて同様の比較

③Prx2及びphospholipaseA2が膜にもたらす作用の2次元解析

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その日は、久しぶりに訪れた春の陽気に町全体が活気を見せていた。

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今日になってやっと、キャンパス内の桜が花を咲かせ始めました。

ここのところ仙台は寒い日と暖かい日が交互に訪れており、
どうにも開花のタイミングが読めなかったものの、
これで研究室の花見の目処が立ちそうです。




話は変わりますが、今年から遺伝子実験に対する法制度がより厳罰化します。
研究開発二種告示の改正というものです。

これはいわゆるカルタヘナ議定書(国際会議が行われたコロンビアのカルタヘナに由来する)に基づくもの。
このカルタヘナ議定書は、生物多様性に対する遺伝子組み換え実験の悪影響を制限する目的で作られました。

実は、ライフサイエンスで日本がアメリカに遅れをとっている原因のひとつが、この議定書及び法令であると言われています(アメリカは同意していない)。
とはいえ先進国の多くが批准していることから、一応批准している側がワールドスタンダードと言えますが、日本人の潔癖症と重なって、国内の遺伝子実験の将来はあまり明るくはないかもしれません。



とにかく、厳罰化に伴って私たち学生にも注意喚起が行われ、ちょうど昨日学部全体に向けたガイダンスが開催されました。

そして、本研究室の年度初めのガイダンスにおいて、助教の先生がこの法制度改正に関わる話に触れた折、ソメイヨシノによる生態系破壊というトピックスを紹介しました。

そのときは何気ない一言だったのですが、どうにも詳細が知りたくなって少し調べてみました。





というわけで、この季節だからこそ知りたい、~ソメイヨシノの豆知識~



さて、みなさんご存知のソメイヨシノ、日本で最も多くの目に触れるサクラでしょう。
実はその由来ははっきりしておらず、自然交配説と人工交配説があります。
曖昧な感じで最初から不安ですが、どうやら江戸末期あたりから植木職人たちが売り出していたらしいことはわかっています。(例によって某国も起源説を唱えているようですニダ)
葉が出る前に花が咲くことで非常に美しい満開となり、かつ花弁が大きく派手なことが特徴です。

ここで、ソメイヨシノの意外な事実を紹介しましょう。

彼らは全て、いわゆる「クローン」の関係にあります。

つまり、日本全国どこのソメイヨシノも同じ遺伝子を持っているということです。
そのため、同一条件なら一斉に開花することができ、見事な桜並木や春の基準である桜前線なんていう言葉が出来るわけです。

しかし、ソメイヨシノは自家不和合性という性質をもっていることから、種子によって子孫を残すことができません(だからこそクローンしかいないのですが)。自家不和合性というのは、自分の花粉を受粉しても受精まで至らない、あるいは正常な種子が出来ないように遺伝的にプログラムされている性質です。

お察しの通り、この性質は遺伝的な多様性を保とうとする生物のごく自然な性質です。
人間でも、年頃の女の子がお父さんの匂いを嫌いになることがありますが、自分と異なる遺伝子を選ぶことで多様性を保とうとする働きがあるのです。
しかし、どうしてもソメイヨシノを見たい人間の手によって、彼らは次々と接木されて全国に広まっていったわけです。
逆に言えば、人間の手が加わらなければ現在のソメイヨシノを保つ方法はありません。



さて、ちょっと待てよ、と思うことがあります。
それは、他品種との交配、つまり雑種なら種子が出来るのでは??ということです。



どうやら出来るみたいです。
そして、出来るからこそ今日のトピックス、


「ソメイヨシノと生態系」
の話につながるわけです。


外来種による生態系の破壊、というのは
例えばブラックバスとかアメリカザリガニとかセイヨウタンポポなどが有名でしょうか。


前述の通り、ソメイヨシノは他品種とのみ種子を残します。
そして日本全国に接木され、大量のソメイヨシノが日本にあふれています。

いくつかの調査で、他品種の種子からソメイヨシノの遺伝子が数%見つかったと言う報告もあります。

そう言った理由で、生態系汚染の原因とする見方もあります。
http://www.esj.ne.jp/meeting/abst/56/S24-4.html


もちろんそれがわかったのは近年のことで、
種子をつけないソメイヨシノをなんとか見続けようと、先人たちは接木によってその数を増やし、
そして日本中の人々がその美しさに魅せられていった過程には、生態系の破壊という概念は介入する余地がありませんでした。

とはいえ、

ここまで言っておいて、僕はソメイヨシノがその土地のサクラの地位を脅かす存在でも、遺伝子汚染の原因とも思いません。



なぜなら、ソメイヨシノはあくまで自然にあった二種のサクラの雑種であるからです。

つまり、遺伝子的には人工的に組み換えたわけではないし、ソメイヨシノの遺伝子、と言えばその親木の遺伝子をそのまま受け継いでいるわけですから、結果的にソメイヨシノが関わる雑種はその親木の雑種と変わらないはずです。



そして、進化と言うのはあくまで多様性を保ったまま進みます。
そうしなければ、何かのきっかけで一気に絶滅してしまうからです。
その観点から見れば、数%の、しかもソメイヨシノの親木(エドヒガンとオオシマザクラ)の遺伝子というのは、多様性の一部に過ぎないし、おそらくそれらの種子が元々の種より適応性が高いという可能性も低いと思われます。ですので、ソメイヨシノとの雑種たちはそんなに栄華を極めることなく消えていってしまうか、あるいはその遺伝子をさらに薄めながら子孫を残していくのではないでしょうか。


もしソメイヨシノとの雑種がすさまじい繁殖力を持っていて、他品種の領域を脅かしている、というのならわかりますが、そういった報告はありません。






というわけで、少なくとも僕はこれからも普通にお花見を楽しみたいと思います。





しかし、遺伝的汚染は無いにしても、ソメイヨシノは非常に怖い存在なのかもしれません。
なぜなら、本来ならば偶然出来た貧弱な雑種であり、すぐにこの世から消えてしまう存在だったはずが、
その美しさひとつで生態系の頂点にいる人間を魅了し、島国ひとつを征服するまで勢力を拡大したのですから。

ロマンのある言い方をすれば、「魔性の花」といったところでしょうか。

みなさんも、美しく咲き誇るソメイヨシノを見かけたら、今回紹介したその強かな戦略を思い出してみてください。


要点
・ソメイヨシノはみんなクローン。ヒトの手によって全国に植えられた。
・種子を残すことができない。他品種との雑種なら可
・全国に植えられたことで生態系に人為的な影響は与えたが、元々単なる雑種であり、かつ影響度も小さい。






やっと春らしくなって、右下のガチャピンがはしゃいでおります。

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「いちだんらく」が正しい読みだそうです。

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